練習不足でも諦めない、理学療法士的マラソン論

こんにちは、訪問整体RINです。

いよいよ8月30日、北海道マラソン本番です。実は私、今回で3回目の出場になります。2022年、2023年と、正直「これ本当に完走できるのか…?」と自分でも半信半疑だった状態から、なんとか2回とも奇跡的にゴールしてきました。

そして今年。……はい、練習不足です。堂々と言えることではないんですが、堂々と言います。練習不足です。

でも大丈夫。今回は「気合いと根性」で完走を目指します。理学療法士がそんな精神論だけで走っていいのか?と突っ込まれそうですが、ちゃんと身体のプロとしての裏付けもあるので、今日はその話をさせてください。

練習不足でも完走できる人・できない人の違い

マラソンにおいて「練習量」はもちろん大事です。でも本番で明暗を分けるのは、実は走る前の準備走っている最中の身体の使い方だったりします。

理学療法士として現場で見てきた経験から言うと、完走できるかどうかを左右するポイントはこの3つです。

  1. 関節・筋肉のウォームアップの質
  2. ペース配分(特に前半の抑え方)
  3. "痛みのサイン"を無視しないこと

練習量が足りない分は、この3つを丁寧にやることである程度カバーできます。逆にここを雑にすると、練習を積んでいる人でも大失速します。

1. ウォームアップは「動的」に

冷えた身体でいきなり全力疾走すると、筋肉や腱に負担がかかりやすくなります。特にふくらはぎ・ハムストリングス・股関節周りは、マラソンで酷使される部位です。

おすすめは静的ストレッチ(伸ばして止める)よりも、動的ストレッチ。ラジオ体操的に身体を動かしながら温めていくイメージです。

  • その場足踏み〜軽いジョグ
  • 股関節を大きく回す
  • 膝を高く上げるももあげ

これを5〜10分。「スタート地点で震えながら並んでいる時間」を有効活用しましょう。

2. 前半は「抑えすぎかな?」でちょうどいい

練習不足の人が一番やりがちな失敗が、スタート直後のオーバーペースです。周りのランナーに引っ張られて、気持ちよく飛ばしてしまう。そして20km過ぎで足が売り切れる。

身体的に見ると、これは筋肉のエネルギー(グリコーゲン)を前半で使い切ってしまう状態。後半は文字通り"ガス欠"になります。

体感で「ちょっと物足りないかな」くらいのペースが、実は正解であることが多いです。北海道マラソンは真夏の開催で気温・湿度も高いので、なおさら前半の抑えが重要になります。

3. 痛みには「良い痛み」と「危険な痛み」がある

ここが理学療法士として一番伝えたいポイントです。

  • 良い痛み:筋肉の張り、だるさ、じんわりした疲労感 → 気合いでカバーしてOK
  • 危険な痛み:関節のズキッとした痛み、片側だけの鋭い痛み、力が抜ける感じ → これは根性でごまかしてはいけないサインです

「気合い・根性で完走」という姿勢は素晴らしいですが、それは"良い痛み"に対しての話。関節や腱からの危険信号を根性で押し切ると、マラソン後に歩けなくなったり、長期の故障につながることもあります。走りながら自分の身体の声を聞き分ける、これも一つの技術です。

熱中症対策も忘れずに

8月末の北海道とはいえ、日中は気温が上がります。給水はこまめに、喉が渇く前に一口。塩分タブレットなども有効です。脱水はパフォーマンス低下だけでなく、筋けいれん(いわゆる"足がつる")の大きな原因にもなります。

大会3日前〜当日、食事と練習はどうする?

ここからは、直前期に絶対に押さえておきたい「食事」と「練習」の話です。ここを間違えると、それまでの練習が水の泡になることもあるので、ちょっと真剣に聞いてください。

練習:3日前からは「動かす」より「整える」

直前期にやりがちな失敗が、「練習不足を取り返そう」と焦って追い込み練習をしてしまうこと。気持ちはめちゃくちゃわかります。私も毎回このワナに引っかかりそうになります。

でも理学療法士的に見ると、これは完全に逆効果です。筋肉は運動した直後に強くなるのではなく、休んでいる間に回復・超回復することで力を発揮できる状態になります。直前に追い込むと、疲労が抜けきらないまま本番を迎えることになり、本来のパフォーマンスを出せません。

  • 3日前:軽いジョグ20〜30分程度。汗ばむくらいでOK
  • 2日前:さらに軽く。ウォーキング+軽いストレッチ中心
  • 前日:ほぼ完全休養。散歩程度に留める。ここで焦って走り込むのは絶対NGです

「走らない不安」は誰にでもありますが、直前期は"貯金を使う"のではなく"貯金を守る"フェーズだと思ってください。

食事:カーボローディングは3日前からが目安

マラソンのエネルギー源は主に筋肉や肝臓に蓄えられたグリコーゲンという糖質です。フルマラソンだと、このグリコーゲンが後半(30km前後)で枯渇し、いわゆる「壁」にぶつかる大きな原因になります。

これを防ぐのがカーボローディング、つまり糖質を多めに摂ってグリコーゲンの貯蔵量を増やしておく方法です。

  • 3日前〜前日:ご飯・パン・麺類など炭水化物の割合を普段より増やす。おにぎり、うどん、パスタなどが摂りやすくおすすめ
  • 脂質の多い食事は控えめに:消化に時間がかかり、胃腸に負担が残りやすいため
  • 食物繊維の多い食品(豆類、根菜、きのこなど)は前日は控える:お腹の張りや下痢の原因になりやすく、当日のトイレトラブルにつながります
  • 水分もしっかり:糖質と一緒に水分を摂ることでグリコーゲンの蓄積効率が上がると言われています

当日の食事:レース3時間前を目安に

当日の朝食は、レース開始の2.5〜3時間前までに済ませておくのが理想です。消化する時間を確保しないと、走っている最中に胃が重く感じたり、お腹が痛くなったりすることがあります。

  • おにぎり、バナナ、食パンなど消化の良い糖質中心のメニューが安心
  • 脂っこいもの、消化に時間のかかるものは避ける
  • スタート1時間前〜直前は、エネルギージェルや少量のバナナなど、こまめな糖質補給でつなぐ

初めて試す食べ物は当日避けるのも鉄則です。胃腸との相性は人によって違うので、"ぶっつけ本番"は禁物。練習やこれまでの大会で「これは大丈夫だった」というものを選びましょう。

理学療法士的まとめ:直前期は「足し算」より「引き算」

練習不足を感じていると、直前になって「あれもこれも」と足したくなる気持ち、よくわかります。でも身体づくりにおいて直前期に大事なのは、余計な負担を引き算していくこと

  • 練習は減らして、疲労を抜く
  • 食事は糖質を中心に、胃腸への負担を減らす
  • 睡眠もしっかり確保する

これができていれば、練習不足という不安要素をかなりの部分カバーできます。あとは当日、身体を信じて気合いと根性で一歩ずつ進むだけです。

まとめ:練習不足は"準備"と"走り方"でカバーできる

過去2回、奇跡的に完走してきた実績がある以上、今回も身体はきっと応えてくれるはずです。ただしそれは、しっかりウォームアップをして、前半を抑えて、痛みのサインを見極める、という"賢い気合い"があってこそ。

北海道マラソン、完走できるか? ——理学療法士としての答えは「準備次第で十分可能」です。

当日は無理せず、でも諦めず。ゴールテープ、切ってきます。

応援よろしくお願いします!


身体の不調やケガでお困りの方は、訪問整体RINまでお気軽にご相談ください。

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